火事場ドロボウ

最近、広島の大雨の被災地で火事場ドロボウの被害があるとか、
盲導犬を傷つける人がいるとか、
白杖に引っかけられたのを怒って少女を蹴りつけた人がいるとか、
あまり信じたくないような暴力が話題になっていて。

キャスターやコメンテーターは
障がい者に対して優しく出来ないのか・・・というようなことも言っているけれど。

障がい者じゃなくても、女性を、それも子供を蹴る行為や
盲導犬じゃなくても、犬を傷つける行為や
被災地じゃなくても、ドロボウする行為も
全部人としてダメですよね。

そんなことをする人は、幸せじゃないんだろうなと気の毒に思います。
幸せじゃないから許されるわけではないけれど、
なんでそんなことするんだろうって考えると、きっと不幸せなんだろう・・・と。

日本人は例えば人とぶつかってしまったら、
自分が悪くなくても「すみません」と謝ってしまうようなイメージだったりしますけど。

昨日は9/11で、東日本大震災から3年と半年経ったんですね。
あの震災のときも、家事場ドロボウのようなウワサはいろいろ聞きました。
聞いた話については、真偽は分からないので半信半疑ですが、
わたし自身が見たのは、こんな場面です。

わたしはあのとき被災して数日避難所生活をしていたんですが、
同僚が歩いて家を見に行くというのでついて行ったことがありました。
車だと15分くらいでも、歩くと2時間くらいかかってしまうんですよね。

その帰り道で。

扉が開いているドラッグストアから
商品を次々に持ち出す何人もの人たち。

例えば、赤ちゃんがいて、どうしてもおむつが必要で・・・とか。
食料品がどうしても必要で・・・とか。

それなら後からお金を持っていって謝罪すればいいかもしれないとも思いますが、
その人たちはどう見ても欲しいものを持ってきているように見えました。

化粧品とか、顔も洗えない状況で、要りますか？
まるで戦利品のように誇らしげに持ち出す人たち・・・。
子供じゃないです。
むしろ、子供がいるような大人たちが。
30代・40代くらいのお母さんも居ました。
50代.60代くらいのお母さんも居ました。
男性も、子連れの人もいました。
何組も。

いいえ。わかりません。
例えば、そのお店のオーナーさんや親戚の方で、
自分たちのモノとして持ち出したのかもしれません。

正直、大手チェーンのドラッグストアですし、
そんな風には思えませんでしたが。

なので残念です。
けれど、自分に出来ることは、自分がそうでないようにすることしかありません。

そんなことをして、震災が収まって日常に戻った時、
人として胸を張って生きられるのでしょうか・・・。
そのドラッグストアを利用できるのでしょうか？

東日本大震災の時、日本人のモラルの高さが評価されたりしていましたが、
わたしはそんな場面を見たので、そうでもないと感じていました。

そんな大人が育てる子供もそんな大人になるでしょう。

こんなことがあったので、
広島の火事場ドロボウは「やっぱり」と思うばかりです。

正しいことを「きれいごと」と言って諦める人もいますが、
きれいごとを追求できないで世の中はキレイにはならないんじゃないかと
ときどき思います。

だから「きれいごと」という言葉を耳にすると、
この言葉はあまり好きではないな・・・と思ったりします。

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